常識なんて場所によって違ってことを中々受け入れられない その1(ブラジルの話)
昨日このニュースを見つけた。
それで、いろいろ思うところを書いてみる。
つい先日、ブラジル出張から帰ってきたビジネスマンと少し飲んだ。彼が行った場所は上記エスピリトサントとやらとは違うっぽいが、この事件が起こる前に帰って来られて良かったなぁと今思う。
「あの事件以来、日本人社会も厳戒体制でさ」
と、そのビジネスマンが話した。
あの事件ってのはあれか。
確か両替所から帰る途中で襲われたとか。
銃を向けられて窓を開けなかったから撃たれたんだっけ。
でも窓を開けたら最後って思うんじゃないの?
「その人の車、防弾ガラスじゃなかったらしい。銃を向けられたら素直に金を渡さなきゃダメだよ。俺、ブラジルにいる間ずっと防弾車に乗ってたけど、ブラジル駐在の日本人で防弾じゃない車に乗ってる人間がいると思わなかった」
防弾ガラスは自動車を買う時に、数十万払えばオプションでつけてもらえるらしい。そういえば何年か前にブラジルが防弾自動車の生産世界一とかいうニュースを読んだ気がする。
昨年の話を少しする。
ブラジルからの移民の女性と一緒に食事をした。その時私が住んでいたのはアメリカの大都市の郊外で、事件などほとんどおきない、日本の都市部より安全で平和でのどかな街だった。
「この街の家はセキュリティが甘すぎるよね。電子キーにしろとはいわないけれど、せめてインターフォンが欲しいよ」
なんて軽口を叩いていたら、彼女は笑った。私の実家とは大違いだと。
彼女の故郷の話をした。彼女の実家には高い塀で囲まれており、有刺鉄線が張り巡らされていて、そこには電気が通っていたらしい。
お金持ちだったのかな。それでもアメリカに来たんだ。
「トランプが大統領になったら、アメリカも私たちが安心して住める場所じゃなくなるかもしれない」
と、不安そうにしていたなぁ。
移民というのはその国の人間に完全になりきるか、そうでなければ客人(もしくは居候)の立場をつらなかなくてはいけない。私はそんな風に考える頭の固い人間だ。
でも日々何かを奪われる恐怖に追われる日常から自由の国に逃れてきた人々に、豊かで安全な国にいつでも戻れる自分が何か言える立場だろうかとも思った。有刺鉄線で囲まれた家に暮らす家族のことをどんな思いで考えるんだろうなぁ。
それにしても。
なんでブラジルはあんな国になったんだろう。
数年前はブラジルは好景気で、アメリカを抜く大国になるなんて言われてたのに。