トランプ批判への違和感 その4(グローバル企業による美しい言葉たち)
アンチ・アンチトランプシリーズも、いつまでも書いても仕方ないので、これで最後にしようかしら。
不法移民にの聖域であることを「是」とするサンフランシスコの第9合衆国巡回区控訴裁が審議中の大統領令 vs. 即時停止命令に対して、企業がビジネス面への影響という点で指摘するという意見書。
「アメリカの経済、イノベーション、成長に大きな打撃を与える」、「大統領令は、アメリカ企業が世界的に優れた人材を雇用するのを難しくし、コストを上げるだけ。すでに進行中のビジネスの妨げにもなる。さらに、人材やビジネス、投資をアメリカに惹きつけようとする企業を脅かす」と、とにかくアメリカ企業にとって良いこと1つもないと訴えました。」
という内容。まあ、ごもっともです。
しかしながら、名を連ねているグローバル企業のみなさん「AppleやGoogle、FacebookにMicrosoft」は「ダブルアイリッシュ・ダッチサンドイッチ」で租税回避しまくっていた面々じゃないですか。
EUではこれらのグローバル企業のみなさんに追徴課税すると息巻いておりましたが、アメリカさんは反対したとか。だって、EUで課税されたら、アメリカの取り分がなくなもんねぇ。
そんなこんなで、アメリカさんはこれらのグローバル企業からとれるはずの税収を何兆円単位で逃しておるわけで。
アップルのCEOさんなどは、昨年「現行の米国の税体系は旧来の工業時代につくられたもので、デジタル時代の仕様ではない。時代遅れであり、米国にとっては恐ろしい。ずっと以前に改革すべきであった」とかなんとか言い訳しているけれど、現行法に違反してからの開き直りはひどいよな。
アメリカの利益を散々すり減らしてきた面々が「アメリカのためにならない」とかいうのね。「世界的なグローバル企業である我々」を傘にきた脅し文句のようにも聞こえる。
でもまあ、タックスヘイブンに関しては、アメリカも怪しいし、その辺でこうるさく言ってもしゃないとは思ってる。
なんか気味が悪いと思うのは、IT企業とかの「僕の家族も移民だった。うちの幹部も不法移民出身だったり、難民出身だったりする。移民大事!」みたいな論調。
つまり、あなたたちはこう言いたいのですね。
「不法移民による社会不安や経済損失は、大企業の優秀な人材のバーターだ」と。「私たちのような優秀な人材を見つけるためには、その他大勢も必要なんですよ。砂鉄を探すには大量の砂を掬わなければいけないんですよ」と。
まあ、一理ありますわな。
美しい言葉の中に、ドロドロとした本音が見えるわ。
ついでに、ここに来て急にトランプ政権を批判しだした企業多数だけれど。
「反トランプ」を表明しただけで売上があがり、「親トランプ」なだけで不買運動がおこる現象が起こってるわけで。
こうなってくると「反トランプって言わないと、経営不審になっちゃうよ」と慌てて表明する企業続々。
こちらの記事では「反トランプを表明したから利益を不買運動がおこった」メイシーズについても言及しているけれど、はっきり言って今は「親トランプ」なんて企業も個人も口が裂けても言えないよ。少なくとも都心部では。
私はトランプ支持者でもなんでもないけど、トランプ擁護の言葉を出そうものなら場が凍りつくわ。
そう「反トランプ」こそが道徳的、道徳的銘柄は「反トランプ」でないとダメなんだってさ。記事にもなってる。
それに追随しない企業もまあ「静観」という道を選んでるわけだ。「利益の確保」と「リスク回避」のために「差別反対」の美辞麗句を並べるわけだ。
なんだかんだ言って不買運動は功を奏しているわけで、アンチトランプさんはなかなかい良い仕事をされたというわけ。これはいいの。目的を持った行動が、目標に近づいているんだから。
ただ、そういう流れに乗って「道徳家」みたいな顔をする企業の動きが気味が悪いというだけの話。
そんなこんなの中でも、影でこっそり儲けている人もいるよね。いつものこの人のように。ぶれないわぁ。いっそ清々しいわ。
綺麗ごとを言うのが大人のマナーだから、それに反発するのは私が幼稚だからだな。